【動画】 こんなSIerには要注意──なぜ今、企業は“SIerとの付き合い方”を考え直すべきなのか(前編)

 ビジネスの課題をITで解決するためにはコンサルタントやSIer、プラットフォーマーなどの外部パートナーとの協力が欠かせませんが、この協力関係が今、大きく変わりつつあります。

 その背景にあるのは、クラウドサービスの台頭です。ソリューションがパッケージからクラウドへと変わることで、課題解決のプロセスが多様化したことから、発注側は、これまで以上に社内のプロジェクトについて深く理解し、それぞれのプロジェクトに合ったプロセスを考える必要に迫られています。一方、受注側のSIerやプラットフォーマーについても、パッケージの売り切りというモデルから、システムの継続利用を促し、企業のビジネスに伴走するモデルへの転換を迫られています。

 この過渡期である今、企業と外部パートナーとの認識のズレがプロジェクトを停滞させているケースも少なくありません。

 「先が読めない変化の時代」といわれる今、企業のビジネス課題を共に解決できる外部パートナーをどうやって見極めればいいのでしょうか。また、外部パートナーとより良い関係を築くために、企業のIT部門にはどのような心構えが必要なのでしょうか──。

 本記事では、AnityAが開催したイベント「時代遅れのIT投資をしないために:クラウド登場で激変! “SIerとの付き合い方”の新常識」の模様を動画で紹介します。

 前編では、これからのSIerのあるべき姿を語ったジョイゾーの社長、四宮靖隆氏のプレゼンテーションと、ジョイゾーCOOの四宮琴絵氏、AnityA代表取締役の中野仁を交えたディスカッションの模様を動画でご紹介します。

目次

【動画】 こんなSIerには要注意──なぜ今、企業は“SIerとの付き合い方”を考え直すべきなのか(前編)

ビジネス課題をITで解決する上で、SIer(システムインテグレーター)などの外部パートナーとの関係性は不可欠です。しかし、クラウドサービスの台頭により、この関係性は今、大きな変革期を迎えています。

本記事は、イベント「時代遅れのIT投資をしないために:クラウド登場で激変! “SIerとの付き合い方”の新常識」の動画レポートです。動画では、ジョイゾーの社長である四宮靖隆氏のプレゼンテーションと、同社COOの四宮琴絵氏、AnityA代表取締役の中野仁氏との鼎談を詳細に再構成しています。

特に、「人月」ではなく「価値」で費用を算出する新しい開発モデル、そして企業とSIerが「競争(協創)」関係を築くための具体的な心構えについて解説します。動画を見る時間がない方、また、SIerとのより良い付き合い方を深く学びたい方は、ぜひこの記事でポイントをご確認ください。

SIerのあるべき姿を提言するジョイゾー四宮社長のプレゼンテーション

クラウド時代に求められるパートナーシップとは

ジョイゾー代表の四宮靖隆氏が、クラウド時代におけるSIerと顧客企業との「パートナーシップ」のあり方について語ります 1。これからの時代、SIerは顧客企業とどのように協業していくべきか、またどのような課題があるのかについて提言されています 2

ジョイゾーの事業とシステム開発の特徴

ジョイゾーは、サイボウズの「kintone(キントーン)」を専門とするSIerです 。kintoneをプラットフォームとした業務システムの開発を、全社員29名(当時)が携わっています 。主な事業内容は、kintoneの導入支援や開発、kintoneプラグインの開発・販売、kintoneとLINE WORKSを連携するチャットボット開発サービスなど、サブスクリプション型のサービスも提供しています 。
主な開発実績には、星野リゾートや京王百貨店、Sansanなどがあります 。企業の6社に1社がkintoneを使っているというデータもあり、クラウドサービスを使った業務システム開発は、まさに時代の流れです 。
ジョイゾーは、「システム39」という特徴的な開発サービスを提供しています 。

定額制・対面開発サービス「システム39」

システム39は、開発費用が定額39万円と決まっているシステム開発サービスです 。さらに、開発を1回2時間で3回行い、お客様と話をしながら目の前でkintone上にシステムを作り上げていく「対面開発」という手法を採用しています 。このサービスはリリース以来800件以上の実績があります 。

  • 初回2時間は無料の対面開発:ヒアリングだけでなく、その場でシステムを作り上げていくため、要求が明確な場合は初回だけでシステムの7割〜8割ができあがるケースもあります 。
  • 運用イメージの具体化:お客様自身が目の前でシステムができあがるのを見ることで、運用イメージが湧きやすくなります 。
  • リスクなしで試せる:kintoneは30日間無料でお試しできるため、お客様はシステムを持ち帰り、試した結果、継続開発を希望する場合に初めて契約すれば良いという形になっています 。金銭的なリスクなくシステム開発を試すことができます 15
  • 納品後の無料お直し:納品後30日以内であれば、現場からの改善要望に対して1回無料でシステムのお直しをします 。これも39万円に含まれています 。

この開発サービスにおけるノウハウは、四宮社長の著書『ジョイゾーのシステム思考』にもまとめられています 。

DXの本質と日本企業の現状

業務改善やDX(デジタルトランスフォーメーション)がキーワードとなる中で、四宮氏はDXの本質を「ビジネスにデジタル技術を活用し、新しいビジネスモデルを創り出して社会を豊かにしていくこと」と定義しています 。

経済産業省が発表した「DXレポート2」によると、企業の95%がDXに全く着手していない、もしくは単発の実施に留まっているという調査結果が出ています 。DXが進まない要因としては、以下のような誤解や考え方が挙げられます 。

  • DXはレガシーシステムを刷新することだという誤解 。
  • 現状特に困っていないため、必要性は感じるものの後回しにしてしまう 。

しかし、コロナ禍のような状況において、このままでは生き残れないと危機感を持つ企業は増えました 。DXの本質は、ITシステムだけでなく企業文化も変革し、環境変化に迅速に対応できる企業体力をつけることです 。

また、SIer側にも「人月商売から脱却し、ユーザー企業と協創できるビジネスモデルを作っていくこと」が求められています 26。そして、経営トップがリーダーシップをとり、ITツールの全社導入に責任を持って進めていくことが重要です 27

DX実現のための2つの要素:デジタル化とデジタライゼーション

DXを実現するためには、デジタイゼーション(デジタル化)とデジタライゼーションの2つの要素が必要です 。

  • デジタイゼーション(デジタル化):デジタル技術を活用し、既存のビジネスモデルをデジタル化すること 。
    • 例:アナログカメラがデジタルカメラになる 。エクセルのコピー作業をRPAで代替する 。
  • デジタライゼーション:デジタル技術を活用し、ビジネスモデル自体を変革し、新しい価値を生み出すこと 。
    • 例:車の「所有」から「カーシェアリング」への転換 。出社からリモートワークへの転換 。

デジタライゼーションまで実現して初めてDXと言えます 。しかし、多くの企業はDXの前に、まず社内の様々な業務課題に対する**「デジタル化」、つまり「業務改善」に取り組む体制が整っていません 。まずは業務改善から着手し、その先にDXが見えてくるというのが四宮氏の考えです 。

中小企業で業務改善が進まない3つの課題

中小企業で業務改善が進まない主な課題は以下の3点です 。

  • 業務改善の専任者がいない
  • 資金が足りない
  • 経営者のITリテラシーが足りない

IT化は「目的」ではなく「手段」

業務改善を進める大前提として、IT化はあくまでも「手段」であって「目的」ではないという認識を持つことが非常に重要です 42。この認識が履き違えられると、以下のような事態が起こります 。

  • 「競合他社が使っているから」「良い事例があるから」といった理由で、とりあえずツール(kintoneやSalesforceなど)を導入すること自体が目的になってしまう 。
  • その結果、担当者はツールを導入した時点で目的達成となり、その後の運用・活用に繋がらない

IT化が手段であることを忘れないことで、業務改善で大きな失敗をすることはなくなると言えます 。

また、業務改善に適したツールは、クラウドサービス一択でしょう 。SaaSなどのクラウドサービスは数多く存在し、自社の業務や流れに適したサービスを見つけられます 。インターネットブラウザさえあればどこからでも利用でき、リモートワークや社会変化に柔軟に対応できるためです 。

そして、クラウドサービスを使ったシステム開発の方法論としては、要件定義から設計・開発・テストを細かいサイクルで回していく「アジャイル開発」が適しています 。業務プロセスや社会情勢は日々変わるため、必要な機能や不要な機能を見極め、改善していくにはアジャイル式開発が不可欠です 。

SIerに求められることと注意すべきSIer

中小企業では業務改善の専任者を置くのが難しいため、SIerの支援は不可欠であり、初期の推進役としてITのプロに任せることは非常に重要です 。

しかし、SIerの中には注意すべき存在もいると四宮氏は指摘します 。「こんなSIerには要注意」というSIerの特徴は以下の3つです 54

  • 顧客の要望を全て開発する会社
  • 開発費を人月で算出する会社
  • 全てをITで解決する提案をする会社

1. 顧客の要望を全て開発する会社

SIerの本来の仕事は、顧客の課題解決のために、ITのプロとしてシステムの必要性を分析し、本当に必要なシステムを提案・構築することです 。顧客の夢や要望を全て受け入れるのではなく、業務内容やプロセスを分析し、効果があるシステムを提案すべきです 。

時には「御社にこのシステムは不要です」とはっきり言うことも必要です 。

2. 開発費を人月で算出する会社

人月とは、エンジニアの1か月分の単価をベースに、開発期間や人数をかけて費用を算出する計算方法です 。

  • 例:人月100万円のエンジニアが3か月で開発 $\to$ 300万円 。

この方法の大きな問題点は、開発期間が長くなるほど、エンジニアの数が増えるほど、見積もり金額が上がることです 。つまり、開発すればするほどSIer側が儲かる構造になっているため、システム開発が目的化してしまいがちです 。

3. 「人月」ではなく「価値」で開発費を算出する

これからは、「価値」に対して見積もりを算出しなければなりません 。作るべきシステムの投資対効果が出るシステムに対して、しっかりと開発予算をいただき、価値を提供することが重要です 。

例えば、普通郵便より速達郵便の方が高いのは「早く届く」という価値があるからです 。しかし、人月計算では、早く作ってしまうと金額が安くなってしまうという矛盾が生じます 。SIerは、自信を持って、そのシステムが顧客にもたらす価値を見極め、それに見合った金額を提示すべきです 。

システム39では、最初の2時間で作成したシステムの存在と、その後の開発内容を説明し、39万円の価値があるかどうかをお客様に判断してもらうというプロセスを採用しています 。

4. 全てをITで解決する提案をする会社

IT化は課題を解決するための手段であるため、全てをITで解決できると提案するのは本末転倒です 。何のためにIT化をするのかIT化で何を解決したいのかという視点を、SIer側も顧客側も持つべきです 。まずは課題を明確化し、その上で手段を明確化していく必要があります 。

課題解決につながる「発注企業」と「SIer」の関係

これらの問題はSIer側だけでなく、発注する企業側にも「システムがよくわからないから、要件定義から全て丸投げしてしまう」といった問題があります 。

これからは、発注する企業とSIerは、どちらが偉い・偉くないといった主従関係ではなく、「協創(競争)」の関係を築かなければなりません 75

  • 発注企業:業務のプロ 。
  • SIer:システムのプロ 。

両者がそれぞれの専門性を出し合いながら、一つの業務課題の解決というゴールに向かって手を携える関係性を持つことが、非常に重要なのです 78


鼎談:ジョイゾー社長・COO×AnityA中野氏が語る「新しいSIerとの付き合い方」

「人月」への疑問から生まれたシステム39

鼎談は、ジョイゾーの四宮琴絵COO(最高執行責任者)を迎え、和やかな雰囲気で始まりました 。四宮社長は、長年SIer業界に身を置く中で、人月という単位で見積もりを出すことに強い疑問を感じていたことが、システム39のサービス開発のきっかけだと語ります 。

優秀なエンジニアが作ったシステムは、早く作れて質も高いのに、人月計算では期間が短い分、見積もり金額が安くなってしまうという矛盾がありました 。kintoneのようなローコード・ノーコードのクラウドサービスに出会ったことで、人月に縛られない開発が可能になり、定額制で目の前でシステムを作る対面開発サービスが誕生しました 。

中野氏も、人月見積もりは発注側(ユーザー)から見ても、説明されても腑に落ちない部分があると同意します 。kintoneに注目したのは、ローコード・ノーコードであるため、いきなりコーディングせずともアウトプットが出せ、開発しながらアウトプットを出せるスピード感が魅力だったと述べています 。

対面開発の効果:「システムづくりが楽しい」という声

システム39の対面開発は、コミュニケーションを取りながらリアルタイムで目の前でシステムを構築していく手法です 。

COOの四宮琴絵氏(前職SE)は、従来のウォーターフォール型開発では、要件定義に数か月かけ、設計書を出して、ようやく画面が見えてくるという流れだったと振り返ります 。しかし、システム39に初めて同席した際、開発メンバーが目の前でシステムを構築し、それをお客様に見せることで、お客様の口から「こんなことがやりたい」という要望が次々と出てくることに驚いたと言います 。

  • 紙のメモより画面で見せる:紙に要件を書き留めるよりも、実際に画面で見せた方がお客様の反応が良く、「そうそう、こんな感じ」と具体化が進みます 。
  • あいまいな打合せからの脱却:従来の曖昧な打合せと違い、お客様が「システムをつくっていることが楽しい」と言うほどの違いを感じたそうです 。
  • スキルアップへの努力:最初は「自分にはできない」と感じたが、訓練を重ねることで、話を聞きながら頭の中でシステム構成を組み立て、2時間である程度のものが作れるようになったと言います 。

システム全体像とクイックインのバランス

対面開発で作成した“部分のシステム”を、“全体のシステム”とどうつなげるかという課題に対し、ジョイゾーは最初にお客様の「最終的にこうなりたい」という夢を語ってもらうことを重視していると言います 。

  • 最終ゴールから逆算:基幹システムとの連携など、最終的にどうしたいかを聞いておくことで、作るべきものが見えてきます 。
  • フェーズ分け:その夢の実現に向け、まずはこの開発をするが、フェーズ2でこうすれば最終的な全体像につながるという道筋を提示します 。

「御社にこのシステムは不要」と言えるSIerの信用性

「御社にこのシステムは不要です」と言えることが、システムやSIer側の役割だと四宮社長は語ります 94

  • プロとしての役割:お客様自身も、過去の経緯から不要と分かっていても言い出せないシステムについて、SIerが「これはいらないですよね」と言うだけで、担当者が救われるケースがある 。
  • 主従関係の打破:従来の受発注関係や下請け根性が染みついた環境では、SIerは「お客様を否定することになる」と恐れて本音を言えないことがあります 。

中野氏も、この「パートナーシップ」の関係が重要だと強調します 。本来、SIerは「システムのプロ」として、不要なものを不要と言える立場であるべきです 。

発注側が欠かせない「ゴールの明確化」

価値に対してお金を払う以上、発注側はゴール(目的)を明確にすることが欠かせません 。中野氏は、最初は曖昧な目標でも、それを明確にしていく作業こそが発注側の責任であると述べています 。

IT化が目的化すると、機能やスペック(人やシステム)にお金が払われることになりがちですが、目的に対してお金を払うということは、「自分たちが何に対してどれだけお金を払えるのか」という調達側の覚悟が求められます 。そのシステムの投資対効果(ベネフィット)を言語化できなければ、高いのか安いのかの判断もできません 。

ジョイゾーは、39万円のシステム39だけでなく、コーディングを含むカスタマイズ開発も全て定額制にしています 。これは、ジョイゾー側が「このシステムはこれくらいの難易度で、この価値がある」と金額を提示し、お客様に「そこまでお金を出してやりたいことが実現できるか」という価値判断を迫るためです 。

受注側と発注側がWIN-WINの関係を築くには

  • 競争(協創)関係:受注側と発注側がWIN-WINの関係を築くには、お互いが「競争(協創)関係」として、それぞれの責任を果たす必要があります 。
  • 人月商売の構造的課題:人月商売は、プロセスに対してチャージできるため、発注側は「言ったんだからやれよ」、受注側は「言われたことをやった」という甘えが出やすい構造です 。また、開発スピードや品質を上げても、期間が短くなれば金額が下がるという構造的な矛盾も抱えています 。
  • 保守で儲けるビジネスからの脱却:開発費を安くしてでも、保守で儲けようというビジネスモデルも、システム開発が目的化してしまう要因の一つです 。ジョイゾーは基本的に保守はとらず、保守運用で出てきた新しい課題に対する改修でのみ、新たな費用をいただくビジネスモデルをとっています 。

受注側が発注側を選ぶ

中野氏は、これからの時代、受注側(SIer)が発注側(顧客)を選ぶべきだと提言します 。

  • 相性の確認:システム39の無料初回2時間は、お互いの「相性を見る」メリットもあります 。ジョイゾーの開発スタイルや考え方と合わないお客様には、継続開発をお断りすることもあります 。
  • 発注側を選ぶ理由:受注側が発注側を選ぶことは、自分たちの注力したい領域(ビジネス)や、一緒に働くメンバーのカルチャーを守ることに繋がります 。
  • 旗色を明確にする:受注側は、自分たちの思想やポジション、考え方をマーケティングの段階でしっかりと伝え、「こういう考え方を理解してくれる方と仕事をしましょう」というメッセージを出すことが重要です 。

ワンチームでプロジェクトに臨むためのマインド

発注企業とSIerがワンチームでプロジェクトに臨むためには、以下のマインドが不可欠です 。

  • 責任の全う:発注側も受注側も、それぞれの立場で責任を果たす 。
  • 対等な関係性:お互いが対等な関係性で、期待値のすり合わせや文化の交流を行う 。
  • 価値の言語化とプライシング:受注側は、自分たちのスキルがどれくらいの価値があるかを明確に認識し、その価値を正当にプライシングすること 。
  • 常に変わるという意識:マニュアルや手順書があっても、それが思考停止の要因となってはならず、「自分たちの業務は常に変わる」という意識を組織全体で持つことが重要です 。

システム開発は、働くメンバーのモチベーションがパフォーマンスに影響する「属人性の排除が難しい」仕事です 。だからこそ、働く側が「面白い」と感じられるようなプロジェクト、そしてお互いの価値観を理解し、尊重し合えるパートナー関係を築くことが、プロジェクトを成功に導く鍵となります 。

まとめ

クラウド時代のSIerとの付き合い方で最も重要なのは、「IT化は手段であり、目的は課題解決(ビジネスモデルの変革)」という認識を、企業・SIerの双方が持つことです。

  • SIer側:「人月」ではなく、システムが顧客にもたらす「価値」でプライシングし、時には「不要」と言えるプロフェッショナルな姿勢を持つこと。また、自社のブランドや哲学を明確にし、選ぶべき顧客を選ぶこと。
  • 発注企業側:IT化のゴール(目的)を明確に言語化し、SIerと主従関係ではなく、対等な競争(協創)関係を築く責任を持つこと。

この新しい関係性こそが、不確実な時代を生き抜くためのDX推進の基盤となります。後編では、この鼎談の続きをさらに深く掘り下げていきますので、ご期待ください。

動画インデックス

ジョイゾ―社長 四宮靖氏のプレゼンテーション

 -「使う人の目の前でシステム設計する定額サービス」を始めた理由【00:02:53】

 -DXの本質と日本企業の現状【00:06:11】

 -DXどころか「業務改善」すら進まない理由【00:09:45】

 -IT化は“目的”ではなく“手段”【00:10:40】

 -こんなSIerには要注意【00:13:28】

 -「人月見積り」の問題点【00:15:45】

 -“人月”ではなく“価値”で開発費を算出【00:17:23】

 -課題解決につながる「発注企業」と「SIer」の関係とは【00:18:35】

ジョイゾー社長 四宮靖隆氏×ジョイゾーCOO 四宮琴絵氏×AnityA 中野仁鼎談

 -アイスブレイク【00:22:55】

 -顧客から「システムづくりが楽しい」という声も──対面開発の効果【00:28:51】

 -対面で開発した“部分のシステム”を“全体のシステム”とどうつなげるか【00:31:34】

 -「御社にこのシステムは不要」と言ってくれるSIerは信用できる【00:33:30】

 -発注する際に「ゴールの明確化」が欠かせない理由【00:37:35】

 -受注側と発注側がWIN-WINの関係を築くには【00:43:48】

 -受注側が発注側を選ぶ際に気をつけること【00:54:04】

 -受注側と発注側がワンチームでプロジェクトに臨むために必要なマインド【01:10:53】

登壇者プロフィール

株式会社 ジョイゾー 代表取締役社長

四宮靖隆

1976年生まれ。1999年、新卒でシステム開発会社に入社。社内インフラ業務に従事し、基礎知識を得た後、2003年に独立系SIerに転職。インフラの知識を活かしてサイボウズ社『ガルーン』の構築や移行の案件に多く携わる。その後、個人事業主を経て2010年に株式会社ジョイゾーを設立。『kintone』がリリースされた2011年以降は、『kintone』案件をメインビジネスに据え、今日まで成長を続けてきた。『kintone』元エバンジェリスト。著書は「御社にそのシステムは不要です」(あさ出版)

株式会社 ジョイゾー 取締役COO

四宮琴絵

サイボウズ社提供「kintone」の定額開発サービス「システム39」コンサルタント。システム会社に事務職として就職した後、システム部への異動を希望しエンジニアとなる。結婚を機に退職し、約10年主婦業と子育てに専念する。2014年に復職し、対面開発のエンジニアとして、COOとして業務執行の責任を持ちながら、会社の経営にも参加する。故郷である北海道釧路市で、地域の起業家支援やイベント企画をする合同会社Hokkaido Design Codeを女性3人で起業。

株式会社 AnityA(アニティア) 代表取締役 中野仁

国内・外資ベンダーのエンジニアを経て事業会社の情報システム部門へ転職。メーカー、Webサービス企業でシステム部門の立ち上げやシステム刷新に関わる。2015年から海外を含む基幹システムを刷新する「5並列プロジェクト」を率い、1年半でシステム基盤をシンプルに構築し直すプロジェクトを敢行した。2019年10月からラクスルに移籍。また、2018年にはITコンサル会社AnityAを立ち上げ、代表取締役としてシステム企画、導入についてのコンサルティングを中心に活動している。システムに限らない企業の本質的な変化を実現することが信条。

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