●大事なのは、ServiceNowから上がってきたデータをもとに意思決定すること
業務の標準化と自動化を実現するITSMプラットフォーム「ServiceNow」は、ITサービスマネジメントや資産管理、セキュリティオペレーション、カスタマーサービスなどの幅広い業務に対応していることから、導入を検討するエンタープライズ企業が増えています。
ただし、豊富な機能がある反面、「導入・運用の難易度が高い」と感じる企業も多いのが現状です。ServiceNowの導入効果を最大化するには、導入目的を明確にし、既存の業務プロセスをどう変えるか、どのような方法で実装するか、といった一貫した戦略が不可欠です。導入を検討する際には、こうした戦略を考えずに、投資に対する効果を得ることが難ことを知っておく必要があります。
AnityAでは、2021年12月のイベントで「ServiceNowの効果を最大化する導入」について講演を行った東急不動産ホールディングスの柏崎正彦氏をゲストに迎えたイベントを2024年9月に開催。ServiceNowの導入から3年を経て、実際にどのような効果が出ているのかを、現場の生産性の推移を示す実データを元にご紹介いただきました。
本記事の動画では、イベント参加者から寄せられた質問に、柏崎氏とAnityA代表取締役 中野仁氏が回答する模様をご覧いただけます。
●動画インデックス
・Q&A
– Q1:ServiceNowから上がってきたデータをもとに「意思決定」をしているところがポイントだと感じました。幹部や経営陣に「データにもとづく意思決定」をしてもらうための苦労話や成功談があればお教えください。【00:00:14】
– Q2:解決コード入力時に「原因分類」欄を追加するのは良いですね。チケット処理量、解決リードタイムよりも「ナレッジで解決したこと」を評価するというポリシーも見習いたいです。【00:03:25】
– Q3:「SaaSの使いこなしを6年間くらい学んだ」とお聞きしましたが、現在のノウハウを書き残す(動画でも可)ことができたとして、一定期間のブランクのあとに再習得するとしたら、今の習熟レベルに追いつくまで何年くらいかかりそうですか?【00:10:17】
– Q4:「社内通知未確認が50%」 というのは納得です。 これをコスト増=利益圧迫としてファクトでつきつけるのはすばらしいと思います。また、チケットの傾向からインサイトを得ているのも見習いたいです。これこそがITかする意味だと思うのです。【00:17:18】
– Q5:1次作業と2次作業 両方とも東急不動産HDさんですが、作業はどう違うのでしょうか?【00:19:50】
– Q6:3次作業というのはどのような案件が上がるのでしょうか?【00:22:58】
– Q7:今、東急不動産HDさんではServiceNow を使っていますが、同時に「もっと良い別の製品(目的を満たす別の手段)」を探していますか?【00:25:43】
– Q8:KPIをナレッジ活用に設定していますが、東急不動産HDに何かインセンティブがあるのでしょうか?(KPI達成で)。【00:30:15】
– Q9:以前Pendoの活用の事例をお聞きしましたが、Serivcenowと連携していますか?【00:31:09】
– Q10:「インシデントのチケットに対応が記載されているからナレッジの起票は二度手間になる」と、なかなかナレッジに情報が集まりません。ナレッジに上げても情報が薄い、検索してもヒットしない——という悪循環が起こっています。何か対処法があればお教えください。【00:36:04】
– Q11:「データ連携やデータ活用のための正しいマインドはどうしたら育つのか?」と、いつも考えています。講演をお聞きして「労働集約から資本投下へ」ということなのかな、と感じました。本日の話だと、ナレッジがまさに資本蓄積であり、労働集約な思考を脱却しなければと思いました。【00:40:24】
– Q12:役員の問い合わせもチケットを切ってもらっているのでしょうか?【00:42:18】
– Q13:Serivcenow、JIRA、Zendeskの比較検討をしていますが、どれでも変わらないものでしょうか?【00:43:09】
– Q14:ナレッジを大量生産すると、似たようなナレッジがたくさんできてしまいがちです。そこは後で整理すれば良いという方針でしょうか。それも似たようなナレッジを探し、修正する形でナレッジを改善しているのでしょうか?【00:48:33】
– Q15:ナレッジを廃止する基準はどうしてますか?【00:50:05】
●登壇者プロフィール

東急不動産ホールディングス株式会社
グループDX推進部 ITサービス企画グループ 主幹
柏崎正彦氏
ITベンチャーにて、IBM AS/400海外製ソフトウェアプリセールス(新規ビジネスを立ち上げ、4年で日本シェアNo1まで成長させる)と社内情シスを兼務後、EMCジャパンの情シスにて、日本拠点のITインフラ・ネットワーク・仮想化、ServiceNowをベースにしたIT組織変革を7年間担当。現在、東急不動産ホールディングス、東急不動産、東急コミュニティーの情シスを兼務。東急不動産ホールディングス全体へのServiceNowの企画・展開、東急コミュニティーの全ファイルサーバー170台/200TB Box移行、デジタルアダプションPendo全社展開、ゼロトラネットワーク、OktaによるID管理など多くのSaaSプロジェクト導入を主導。最近は、デジタルアダプションを広めるため一般社団法人日本デジタルアダプション協会理事としても活動中。

株式会社 AnityA(アニティア)
代表取締役
中野仁
国内・外資ベンダーのエンジニアを経て事業会社の情報システム部門へ転職。メーカー、Webサービス企業でシステム部門の立ち上げやシステム刷新に関わる。2015年から海外を含む基幹システムを刷新する「5並列プロジェクト」を率い、1年半でシステム基盤をシンプルに構築し直すプロジェクトを敢行した。2019年10月からラクスルに移籍。また、2018年にはITコンサル会社AnityAを立ち上げ、代表取締役としてシステム企画、導入についてのコンサルティングを中心に活動している。システムに限らない企業の本質的な変化を実現することが信条。